Works創芸のお仕事
私たちの会社は、建築設計事務所と家具製作工房の複合組織の会社です。昭和40年に家具製作工房として、スタート以来、日本各地で建築設計・監理・家具・造作物製作を行ってきました。「小さな家具でも建築である」という視点でとらえて、置れるべき環境を考慮し、確かなものづくりを行っていきます。
近年は、建築基準法の改正、設備・構造技術革新もあり、建築が非常に複雑化しています。私たちは、人間中心に考え自然を豊かに感じることのできる住空間・地域に必要とされる商業空間をしっかりしたコミュニケーションのもとに提案しています。
環境
テクノロジーと人間の関係により周辺環境は大きく変化します。しかし、人の都合によいように都市を創造すると、自然との距離がひらきます。例えば、建材のとして大量に加工されていたラワンという木があります。この木は主にインドネシアの原生林に生えていましたが、伐採による影響で樹木の生えていない山野が出現しました。現地の人が植林を行いましたが、自然の復元は地域により大きく違い、植林は成功しませんでした。人間も自然の一部です。その場所の環境構造を読み取り、物づくりに反映し現代的に再構成を行い環境にやさしい建築を後世に残してゆく…それが、自然との共生の一歩です。
記憶
時間は、本のページがごとく積み重ねられてゆきます。先人が生活の中から見出した物づくりへの工夫もページが不透明ならば、先人の残した工夫という財産も見えなくなってしまいます。つまり、先人の記憶を透層化し重層してゆくことが重要です。伝統技術をベースに現代的テクノロジーを加味し、空間の継承を行う…都市は、時代を映す鏡であり、観察するとその時代の人間生活像が理解できます。確かな技術と多大な労力を要したものが後世に残り、時代のストックとなっています。つまり、場所の記憶を意識した丁寧なものづくりが大切です。
社会
社会は、モノとモノの外的な関係と見えても、実は人と人とのコミュニケーションにより成立するものです。消費が加速度的に進んでゆく社会にあって時代に消費されない物づくりがたいせつです。人は、たとえ古くても、その空間の中に入れば心が豊かになり安心感をおぼえる素敵な場所をいくつか持っているものです。建築・インテリア・家具は人と社会とに綿密な関係を持ち、そしてニーズやトレンドにより導き出された解答の一つでもあります。この解答は常に特殊解です。なぜなら人を包む社会環境がひとりづつ違っているからです。クライアント共に素敵な解答をみつけ出したいと思っています。
文化
人間の生活は、「衣・食・住」の文化で分類することができます。生活を知るということは文化や歴史を知るということです。インテリア・建築の空間は、ライフスタイルの現われですからライフスタイルが理解できなければよい設計はできません。長いスパンで、計画的にものごとをとらえて、やわらかい発想でクライアントに広がりのある、魅力ある提案をするようにこころがけています。そして、それは多様な条件の分析と比較のフィールドバックより、深まったものとなります。わたしたちは、このような作業を行い、よりリアリティーのある物づくりを行います。
視点
テクノロジーの加速により生活環境が大きく変化しつつあります。この変化に対し、感覚的にのみ対応するのではなく、過去から現代への流れを総合的に分析し、存在のあり方を判断しなければなりません。そして時代というものに対して冷静にバランスした物づくりがたいせつです。それは、環境にやわらかく接することであり、内と外との関係をやわらかく保つことにより可能になります。内と外との接点・物と物との接点は、物づくりで非常に重要な要素です。日本建築はあいまいな内と外の関係性を持っています。やわらかいものづくりを行うためには、この接点を大切にした発想が必要です。物を造ることにより、その場をより魅力的で豊かな時間がすごせる空間にしたいものです。