千本格子の家(高瀬の家2)

このプロジェクトでは、敷地の中にあるご家族の建築との距離感を大切にし、住まい続ける事のできる家を模索しながら、建築設計を行ないました。

計画地は、野菜・果物・煙草葉等多様な畑が多く残り、ため池が点在する平野部から少し登った高台にあります。
納屋・煙草小屋・ご家族の住宅に囲まれており、北側にため池が隣接しています。
そこで、視線・採光・通風に対して配慮を行いながら、快適に暮らせる家の計画を進めました。

1階は、プライペート空間として玄関・階段・トイレと3つ個室を配しています。

2階はパブリック空間として、北の風景を取り込むリビング・曲線の高い天井のダイニングキッチンを設け、繋がるように広めのロフトスペース・多目的利用の出来るマルチスペースと、水廻りを設けています。
さらに、家事導線に配慮して、水廻りと居室を繋ぐ回遊導線を計画。また、視線をコントロールするために必要な外周部に連続するシンプルな縦格子を設けました。

インテリアでは、長方形の穴の開いた金属パンチングメタルの背板を持つ大きなディスプレイ棚をLDKと階段の間に設置しています。
金属パンチングメタルは、1階階段にも使用しており、視線をコントロールして気配を繋ぐ効果があります。

そして、「冬に寒くなく、夏に涼しい家にしてほしい」とのご希望もあり、気象データーを元に通風を考慮しながら断熱性の高い家を目指しました。

2018.12.28竣工